コラム/事例集

具体例と成功事例で学ぶ!魅力的なポップアップストア出店の方法とアイデア

最近では、駅や市街地でよく目にするポップアップストア。実際に行ったことがある!という方もいらっしゃるかと思われます。企業がポップアップストアを戦略の一環として開催する際に、どのような内容を計画すれば良いのか、その手順や効果測定、成功事例について、わかりやすく説明します。


ポップアップストアとは

ポップアップストアやポップアップショップとは、限られた期間にわたって駅や市街地のイベントスペースなどに設置される一種の店舗形態を指します。この『ポップアップ(pop up)』という用語は、急に現れる・出現するという意味があります。商業施設や駅のイベントスペース、店舗の空きスペースなどを利用し、数日から週単位で営業されるため、突然現れて突然消えるイメージが込められています。

もともとは、アメリカをはじめとする海外で広く使われていたPR手法の一つです。近年では、日本でもさまざまな場所でこのポップアップストアやポップアップショップが実現されています。アパレル、家電、化粧品などの業界で特に活発に活用されており、一時的な店舗を通じて新商品の宣伝や顧客との接点を築くケースが多いです。

常設店舗との違い

ポップアップストアと通常の常設店舗の大きな違いは、出店期間と目標です。通常の店舗は恒久的な存在として売上を追求しますが、ポップアップストアは短期間でのマーケティングやブランド強化、消費者調査が主な目的です。したがって、接客スタイルや店舗デザイン、KPIの選定も異なり、商品の売上だけでなくさまざまな要因が評価されます。

ポップアップストアを出店するメリット

ポップアップストアの出店には、さまざまな目的とメリットがあります。
以下に5つのメリットを説明いたします。

ブランドの世界観を伝えられる

ポップアップストアは、接客や店舗デザインを通じて、商品やサービスに宿るブランドの独自性を具現化できる場です。通常の店舗を持っていないブランドは、大手店舗で他の商品と混在して並べられたり、オンラインでしか顧客との触れ合いがなかったりすることがあり、ブランドのアイデンティティを伝えるのが難しい場合もあります。ブランドの独自な価値観を実際に感じることができるポップアップストアを開催することで、顧客に通常の購買とは異なる体験を提供できます。これにより、ファンの育成や新規顧客の獲得にも積極的な影響を及ぼすことが期待されます。

顧客とコミュニケーションが取れる

ポップアップストアでは、顧客との直接対話が行える絶好の機会です。通常の常設店を持たない企業は、顧客とのコミュニケーションが限られています。しかし、ポップアップストアを展開することで、実際に顧客が店舗を訪れるため、直接的なフィードバックや意見を収集するチャンスが得られます。

商品のプロモーションができる

ポップアップストアは、新商品の宣伝やテストマーケティングの場として活用できます。ポップアップストアの展開自体が注目を浴びるため、プレスリリースの機会も得られます。期間中、インフルエンサーによるSNS拡散も期待できる施策です。また、商品の販売前にテストマーケティングを行うことも可能です。商品の試食や体験イベントを実施し、実際の体験者の声を集めることができます。これにより、モニター調査では得られない、生活者のリアルな反応やインタビューを通じた深層のフィードバックを得ることができるでしょう。

ブランドの認知度拡大につながる

ポップアップストアは、ブランドの特質を体現する場として活用でき、ブランドの認知度向上に寄与する可能性があります。自社ブランドとの接点の少ない顧客に対して、ポップアップストアを通じてブランドについて知ってもらうきっかけを提供できます。商品の購買だけでなく、SNSのフォローを増やすことやECサイトへの誘導を通じて、単なる一時的な関わりにとどまらない、長期的な関係を構築する機会を提供することができます。

出店ハードルが低い

ポップアップストアは、出店のハードルが低いのが特徴です。ECサイト専門の企業でも簡単にリアル店舗を展開できます。これは、敷金・ランニングコストの削減や人件費などのコストをコントロールできるからです。ただし、日割りの賃料が高くつく場合もありますので、長期的な出店を考える際にはコストの比較が重要です。また、短期間の限定店舗なので、長期契約に伴うリスクも軽減されます。

ポップアップストア出店での成功事例7選

最近、街中で増えているポップアップストア。私たちは消費者として触れることはあっても、実際の事例を通して見たことは少ないかもしれません。そこで、4つの異なる企業の成功事例を通じて、目的や企業規模、商品形態などの違いをまとめました。自社に近いケースを参考にしてみてください。

化粧品メーカーの事例

とある化粧品メーカーは、2周年を迎える記念すべき機会に、特別なポップアップストアを開催しました。このポップアップストアでは、ブランドコンセプトに共感するコラボレーターとの協力が実現されました。共感したクリエイターの作品を展示・販売するギャラリーショップや調香、瞑想体験、アート展示なども行われ、ブランドの世界観を伝えることに成功しました。

食品メーカーの事例

Z世代向けのカップお粥ブランドは、渋谷スクランブルスクエア内のイベントスペースでポップアップストアを開催しました。ここでは、商品の実際の試食だけでなく、限定のグッズも販売するなど、主力商品以外の展示を通じて、ブランドとの接点を広げました。

人材会社の事例

ミレニアル世代向けのコミュニティブランドが実施したポップアップストアでは、女性向けのキャリアスクールの体験やキャリア相談を提供しました。この事例は、無形商材を提供する企業がポップアップストアを出店したものです。まだサービスに入会していない顧客に対して、リアルな場でコミュニケーションを通じて懸念を解消し、サポートを行う場を作り出しました。

食品メーカーの事例

とあるJR総武線駅に直結した商業施設は、2019年のリニューアル時にコミュニティースペースを開設しました。ここでは主に、マルシェや展示会などの活動発信が行われています。さまざまなポップアップストアが出店し、大学生が出店した例もあります。

アパレルブランドの事例

とある小柄の女性向けアパレルブランドは、今年でブランド立ち上げから5周年を迎えました。
ネット通販のみで展開していますが、この年、全国各地でポップアップショップを展開するツアーを行い、地元ファンと直接会い、感謝の意を伝える取り組みを実施しました。ポップアップショップを通じて、お客様とのリアルな接点を持ち、顧客の声や好みを直接知ることできる貴重な機会です。さらに、ネット通販専業でない人々にもブランド認知を広め、新たな顧客を獲得する一助となるでしょう。

小売業での事例

とある企業は商業施設のポップアップスペースで、スキンケアに特化したポップアップストアを開催しました。約40のアイテムを展示・販売し、植物が散りばめられた会場で、専門スタッフが肌質や悩みに合わせたスキンケア方法をアドバイスしました。マスクの着用が増え、スキンケアへの関心が高まっている中、自社のスキンケアアイテムをアピールする機会を提供しました。

株式会社アイフィールドの事例

株式会社アイフィールドが提供する「場所とる.com」を通し、ウォーターサーバーを販売している企業は、消費者に直接製品の品質や利便性を実感してもらい、購買意欲を高めることに成功しました。また、とある携帯会社の出張スマホ料金見直し相談会では、専門のスタッフが利用者の現状に合わせて最適なプランや料金プランを提案し、スマートフォン利用に関する疑問や不安を解消しました。その結果、顧客の満足度の向上や新規顧客の獲得につながりました。このような事例を生み出した「場所とる.com」では、日本全国の商業施設を簡単検索でき、現場写真や周囲のテナント情報から客数・客層が分かるため、企業様に合った施設を選ぶことが可能です。
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ポップアップストアを出店できる場所

ポップアップストアの出店場所を選ぶ際には、人通りが多い地域や目的のターゲット層が集まる場所が重要です。以下、4つの例を通じて、適切な出店場所の選び方をご紹介します。

レンタルスペース

レンタルスペースとは、特定の期間や時間にスペースを貸し出すサービスです。場所やサイズ、費用などの条件を比較しやすく、キッチンや家具などの備品も備えられたスペースも存在します。また、内装や備品によって雰囲気が整っている場合もあり、コストを抑えつつ雰囲気を作り上げることができます。

商業施設の中のスペース

商業施設内の空きスペースも利用できることがあります。以下はいくつかの例です。

1.ギャラリー
2.イベントスペース
3.屋外スペース(駐車場など)
4.オープンスペース(エスカレーター横など)

ただし、オープンスペースは通路となることが多く、ブランドのイメージ作りには工夫が必要です。スペースの大きさや条件は場所によって異なるため、事前に確認することが大切です。

貸店舗

商店街などで一時的に利用できる貸店舗も存在します。これを活用することで、人通りの多いエリアに路面店として出店できます。多くの貸店舗は広い入口を持ち、視認性を高めるデザインとなっており、地域住民が自然と訪れる可能性が高いです。

移動販売車

食品などの展示では、移動販売車の活用もおすすめです。商業施設の屋外スペースやフェス、お祭りなどさまざまな場所で展開可能です。ただし、スペースの制約から、生活者とのコミュニケーションが難しいこともあります。生活者の声を集めたりアンケートデータを収集したりする場合は、QRコードを利用してデジタルアンケートを実施するなど、デジタルとの組み合わせを検討しましょう。

ポップアップストア出店までの流れ

ポップアップストアを計画し、その効果を評価するためには以下の5つのステップを順に進めていく必要があります。

出店の目的を定める

まず、ポップアップストアを展開する理由や目的を明確にし、それに基づいて具体的な目標を設定します。ポップアップストアの目的は、後続のステップや戦略を決定する際の基準となります。また、最終的な成果を評価するためにも、目的とゴールの設定は重要です。目的としては、ブランド認知の向上や顧客ファンの育成、新商品のテストマーケティングなどが考えられます。それに応じて適切な目標を設定しましょう。たとえば、ブランド認知を拡大する場合はSNSフォロワーの増加を、テストマーケティングならアンケートの回答数を指標にするなど、達成を定量的に評価できる目標を定めます。

出店場所の決定

次に、出店エリアや場所を選定します。目的に応じて、駅前や繁華街などの人通りの多い場所や、ターゲットとなる生活者が集まるエリアを考慮します。人気のあるイベントスペースなどは需要が高く、予約が早く埋まることもあるので、新商品発売やリニューアルなど特定の時期に出店したい場合は、早めに場所を確定させることが大切です。株式会社アイフィールドが提供する「場所とる.com」では、日本全国の商業施設を簡単検索でき、申請、実施、請求まで全てのフローをワンストップで行えるため、企業様に合ったタイミングで出店場所を決めることが可能です。
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施策の検討・準備

ポップアップストアの目的に応じて、実施する施策を計画し準備します。ゴール達成に向けて必要な施策を詳細に分解し考えましょう。たとえば、新商品の認知拡大を目指す場合、試食や商品展示、SNSでの拡散を促すフォトスポットの設置、自社アカウントのタグ付けを促すショップカードの準備などが考えられます。この段階で施策がゴールとどのように関連しているのかを明確にしておくことは、ポップアップストア出店中の施策の調整や終了後の効果評価に役立ちます。

告知

ポップアップストアの告知活動を実施します。通行人が入店する可能性が高い場所であれば、その立地の利点を活かせますが、必ずしも都心の一等地で出店できるわけではありません。事前の告知活動を通じて、多くの生活者を集客する努力が必要です。
以下は、告知活動の例です。

1.近隣店舗にチラシやポスターを設置する
2.既存顧客にメルマガやDMを送る
3.SNSで投稿する
4.プレスリリースを配信する

告知活動の手段と頻度を計画的に選び、行程をスケジュールすることで、効果的な告知が可能となります。

運営

出店期間が始まると、ポップアップストアの運営が始まります。事前に、店舗スタッフに対する接客ルールを確立することが大切です。ポップアップストアの主な目的は購買よりもブランドのアピールや認知拡大です。店頭スタッフが来店者にブランドの魅力を伝えるために、トークスクリプトや接客ツールを用意するのもおすすめです。また、出店期間中は天候などによる来客数の変動や予期せぬトラブルも考えられます。そのような場合に備えて、集客方法やトラブル対策なども事前に検討しておくことが重要です。

ポップアップストア成功の秘訣

ポップアップストアの成功には、以下の5つのポイントが重要です。出店する目的はさまざまですが、これらのポイントを考慮することで、成果を最大化できるでしょう。

出店場所の事前調査

出店場所を選ぶ際には、周辺環境の事前調査が不可欠です。どのような顧客層が期待できるか、近隣の施設や要因がどのように来客数に影響を及ぼすかを調査し、集客戦略を策定する材料として活用できます。また、広告物の配置場所も確認しておくことが重要です。出店エリアの雰囲気や想定客層に基づいて、ポップアップストアの施策内容も選定していくことが必要です。

広まる仕組みづくり

ポップアップストアは、PR戦略の中でも非常に注目されるイベントです。SNSを通じて広まることで、意外なほど大きな話題になることもあります。SNSでの拡散は自然に起こることもありますが、積極的に拡散を促す方法も重要です。会場にフォトスポットやフォトプロップスなどの魅力的な要素を用意したり、ハッシュタグを活用したり、SNSキャンペーンを展開したりすることで、生活者が自発的に情報を広めたくなるきっかけをつくることがおすすめです。

ブランドを表現するコンテンツの作成

ポップアップストアで提供するコンテンツは、ブランドの世界観をリアルに体験できるものにすることが大切です。なぜなら、ブランドの価値観やコンセプトを理解してもらうことがポップアップストアの大きなメリットだからです。最大の成果を得るためには、生活者の心に響く方法を考える必要があります。単なる接客だけでなく、過去のメディア露出や動画コンテンツを活用してブランドの紹介を行ったり、体験型の展示やアクティビティを通じてブランドのストーリーを伝えたりする工夫が重要です。

データを収集できる仕組みづくり

ポップアップストアを出店するだけでなく、次の施策につなげるためにデータ収集体制を整えることが重要です。アンケートや来客数などの数値を計測できるように準備しておきましょう。ポップアップストアは生活者と直接コミュニケーションを取ることができる貴重な機会であり、接客を通じて定性データも収集することが可能です。

次回の出店につながるようにする

ポップアップストアへの来店後、次のアクションに続くような動線を設計します。例えば、SNSのフォローまたはECサイトでの購入などが考えられます。QRコードを提供して簡単にフォローできるようにしたり、来店者専用のクーポンを配布して購買を促進したりするなど、その後の関係構築に向けたスムーズな流れを整えましょう。

ポップアップストアの効果測定の方法

ポップアップストアの成果を評価するために、効果測定の方法や指標(KPI)を設定します。ポップアップストアの出店が終わった後も、今後の施策に役立てるため、効果の評価は欠かせません。以下にいくつかのKPIの例を挙げますので、ご参考にしてください。

来客数の確認

来客数は、どれだけ多くの人々がブランドに接触したかを測る最も明確で重要なデータです。出店期間中の総来客数や日別の来客数をカウントすることができます。これらの数字を基に、実際に購買やSNS投稿などのアクションを起こした人数との比率を計算し、効果を評価します。また、飲食関連のポップアップストアなどで提供される限定メニューなどは、期間中のリピート率なども評価指標として活用できます。

販売数の確認

商品の販売が行われる場合、販売数や売上高をKPIとして採用することができます。商品の種類によってどのバリエーションが特に人気であったかや、どの色や味が支持を得たか、などを販売数から読み解くことができます。また、商品の開発段階で行ったアンケート結果と、ポップアップストアでの実際の販売傾向が合致しない場合もあるため、商品のテストマーケティングにも役立ちます。今後の販促施策の計画立案においても重要な情報源となるでしょう。

SNSでの言及数の確認

ブランドの認知拡大やファンの育成の効果を測定する際には、SNSでの言及数をKPIとして設定することがおすすめです。ただし、単に数を数えるだけでなく、投稿内容を詳しく分析することでより有意義な情報を得ることができます。例えば、ポジティブな投稿とネガティブな投稿の割合を比較したりすることで、より深い洞察が得られるでしょう。

検索数の確認

ブランドの認知拡大を評価する指標として、検索エンジンでの検索数を考慮することも有益です。SNSなどで話題が拡散されると、人々は関連情報を検索することがあります。この検索数の増加は、興味を持った潜在顧客の増加を意味し、単なる「いいね」よりも深い関心を反映していると言えます。

来店者アンケートの確認

来店者へのアンケート実施は、さまざまな情報を収集する手段として重要です。数量的データだけでなく、主観的なデータも得られるアンケートの利点は大きいです。アンケート回答者に対する特典としてクーポンや次回購入時の割引を提供することで、ポップアップストア終了後の購買動向を洞察することもできます。

まとめ

ポップアップストアの計画や事例などについてお話ししてきました。異なる目的やゴールによって、用意するコンテンツや効果測定のアプローチは変わるかもしれませんが、共通しているのは生活者との新たなコミュニケーションの場としての役割です。ブランドの世界観を実感し、新たなファンを育てる場として最大限に活用しましょう。 株式会社アイフィールドでは、全国No.1のイベント販売実績のノウハウをもとに、催事のプロが出店スペースや販促企画の相談に対応します!詳しく知りたい方はこちら!!

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